赤坂国際会計事務所

フランスに於ける企業育成に対する変化:中小企業(PME)部門の活性化に向けて

2016.08.09

フランスは現在に至るまで、行政上の複雑さ、公的資金を受ける難しさや投資家を震え上がらせる労務費用により、スタートアップへの投資は困難であった。

 

こういったネガティブなイメージを意識して、政府は2013年1月から3月にかけて「企業家会談」と名付けた一連の審議会を開催した。そして、政府は3つの行動指針を打ち立てた。

 

I.会社設立の活性化

 

フランス人はしばしばリスクを取らない国民性を有するとされる。この言い方が正しいかどうかは議論の余地もあるが、起業に身を投じることは経済的に良い方向に進む努力であると、若いフランス人を納得させる必要がある。

 

-生徒たちがビジネスの世界を見て、経済に於ける問題性に関する彼らの関心が高まるように、中等教育に於ける課外活動が設立された。

 

-学生起業家の身分規定の実施により、学位を取得した若者が、学業を終えた後でも、学生の地位と自らの計画を成し遂げるまでの間社会保障を利用できるようにする。

 

-高等教育にいる起業家をテコ入れするためのプロジェクトに資金投入するイノベーションファンド。

 

-以上の目的は、若い世代の起業家を育成することにある。

 

II.既存の企業の育成

 

「企業家会談」の折、政府は現在の起業家の苦情をまとめ、中小企業(PME)発展を助成するいくつかの事項に集中することとした。

 

-競争力強化・雇用促進税額控除(CICE)の創設。この税額控除は200億ユーロの社会保障費の軽減から成り、雇用創出の助成を目的としている。

 

-税額控除は研究又は開発費用の為に創設された。中小企業は40万ユーロを上限に、研究や特許の申請の様な一定のエリアの投資につき、税金の控除を申請することができる。

 

-公共投資銀行(BPIフランス)は、企業発展の助成として以下のミッションを任されている。

              ラージ・ベンチャーという公的基金には、6億ユーロが投入された。この基金は、商業的な発展の促進、国際的な展開又はテクノロジーの工業化に於いて、保健衛生やデジタル分野、環境分野にプライオリティーを持つ分野の企業に援助を行っている。ただし、ラージ・ベンチャーは、資金調達が大きいことが必要となる民間の投資では不足するエリアに限定されている。

              BPIフランスのNOVAプラン(ラージ・ベンチャー基金に含まれる)は、革新的な起業家向けの投資と融資として10億ユーロ以上の支援を予定している。このイニシアチブの発展の軸は、政府による援助手続の簡易化と、イノベーションへの資金投入が継続することにある。

 

-政府はFrench Techというブランド化により、最も革新的な起業家を国際的な流れに乗せようとしている。BPIフランスは、French Techの称号が与えられた企業や分野を助成すべく2億ユーロを活用している。

 

-企業の手続は簡略化され、デジタル・パスが起業家の為に作られた。これは、起業家たちが地域の高官と親交を結び、支援を得ることを可能としている。現在の所、このデジタル・パスはフランスの限られた地方で試験運用中である。

 

-「French Techチケット」の名目で起業家ビザも創設され、パリでスタートアップを興すことを望む外国人に1年のビザを発給することが可能となる。

 

III. 投資家のリスクへの認識

 

リスクが分散される場合であれ、起業家が苦しむリスクを緩和する為以下の措置が取られた。

 

-直近の3年間に会社清算を行った企業のトップをブラックリストから削除することが決定された。

 

-2014年5月30日のオルドナンスでは、法的に安全な条件の中での発展を保証し投資家や貸し手への保護を提供するために、クラウドファウンディングに関する法整備が行われた。この新たな法律は2014年10月1日に施行された。

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