赤坂国際会計事務所

ソフトウェア開発訴訟から見えた、勝敗を分かつ「専門性」の伝え方

ソフトウェア開発をめぐる裁判は、単なる法律論争の場ではありません。技術的な専門性をいかに裁判官に理解させ、説得力のある主張を展開できるかが、その行方を大きく左右します。ある当事者が経験した法廷でのリアルな攻防から、開発者が知っておくべき訴訟の要諦が見えてきました。

裁判官も相手方も「レベル」が問われる法廷

訴訟の過程で鮮明になったのは、裁判所のITに対する理解度、そして相手方の技術的な知見のレベルが、審理に大きな影響を与えるという事実です。

当初、裁判官が「公共工事とアジャイル開発は変わらない」と述べたとき、口頭での説明には限界があると感じ、書面でその違いを詳細に説明しました。専門外の相手に技術的なニュアンスを正確に伝えるには、こうした地道な努力が不可欠です。

状況が大きく動いたのは、調停手続き移行した時でした。それまで裁判官がこちらの主張を十分に理解していなかった可能性というよりも説明コストの割に響かなかったこと、相手方が急に慌てだす様子が手に取るようにわかりました。第三者の専門家が入ることで、議論の前提が大きく変わることがあるのです。

「専門委員」は諸刃の剣。当たり外れは必ずある

このような状況で頼りになるのが「専門委員」の存在です。しかし、これもまた、当たり外れがあるのが実情です。

専門委員は、必ずしも我々の主張を理解してくれるとは限りません。大して技術を理解していないにもかかわらず、プロジェクトマネジメントを知ったように語る人物や、一方的に「ユーザー最強主義」を振りかざす人物が選ばれてしまうケースもあります。

だからこそ、「相手方が納得し、かつ、こちらの主張も正しく理解できる専門委員」を、裁判官に対して戦略的に要求することが極めて重要になります。

仲間と共に最強のパーティを組め

調停委員と初めて対面した時、私は技術的な苦労など聞かれ、リアルな開発環境を聞かれていると直感しました。そして、すぐに現場のエンジニアと共に準備を始めました。

なぜなら、現場を知らない弁護士が「どのコードにどれだけ苦労したか」を説明しても、それは上辺だけの言葉になりがちだからです。本当に説得力を持つのは、開発の最前線にいたエンジニア自身の言葉です。

自分よりも理解度が高い専門家がいれば、その人の力を借りてロジックをより深く、強固にしていく。このプロセスを通じて、我々の主張は磨き上げられ、主張すればするほど有利な状況が生まれていきました。

全ての根源にある、経営者の「理解」

弁護士にとって困るのは、放置プレイです。俺法律や裁判が分からないからすべて任せるわと言って協力しない経営者は、開発訴訟においては負ける要素しかありません。エンジニアや経営者が協力してこその説明であり、それすら理解ない経営者は早々に負けを認めて相手の望む金を支払うべきです。弁護士が何とかしてくれるだろうというのは甘い考え方です。

弁護士の「なんでもできます」という曖昧な約束は、トラブルの元凶に他なりません。弁護士が「できること」と「できないこと」の境界を明確に引くことこそ大事であり、その穴埋めを経営者やその他の関係者は埋める作業が必要です。スーパーエンジニアであっても現場のことをすべて理解することはできないし、現場のエンジニアはすべて自分の知っていることは伝えたから問題ないとして弁護士に任せきるのは危険です。なぜなら、議事録は身内が理解する程度の内容であることが基本ですし、ストーリポイントのつけ方などは主観的にならざるを得ない部分も多くあります。それらは現場にいるもの以外は知らないことであり、弁護士は推測では動くことはないのです。

訴訟は最後の手段ですが、その土俵に上がった時、最後にものを言うのは、準備された論理と、それを支えるチームの結束力なのです。
注:調停委員と専門委員は異なりますが、専門委員のあたりハズレを考慮して、専門的な知見をある調停員がいる調停を選ぶケースもあります。

1.アジャイルの必要性とアメリカ事例

そもそも、アジャイルはウォーターフォールでうまくいかない開発に対応するものであり、裁判を避けるための仕組みではない。
アジャイルでうまくいかないなどざらにあり、相性が悪い、サイコパスのプロダクトオーナーなど無数にいる。アジャイル=IPAのモデル契約書を準備して対応すればよいなど、曖昧考え方ではうまくいかない。

米国では、アジャイル契約がソフトウェア開発の変化するニーズに対応するために設計されている。特に、Time and Material (T&M) 契約は、要件が明確でない場合に適しており、労働時間と材料に基づいて支払われる。サービスレベルのない、基準のない契約など無いに等しく、Service Level Agreements (SLA) は、システムの稼働率や問題対応時間などのパフォーマンス指標を定義し、品質を確保することになる。これらを月次改訂することで、アメリカでは紛争を避けている。アメリカでは、政府においてもアジャイルでの運用はされており、BPA (Blanket Purchase Agreement) とIDIQ (Indefinite Delivery/Indefinite Quantity)が使われる。

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実際には以下の選択肢がある。

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T&M契約は、特に要件が不明確な場合に適しており、政府の資金管理によりコストを低減。統合電子福利システムや複雑な医療記録システムの例。SLAは、パフォーマンス指標(例:重大なバグの48時間以内の修正、月間稼働率99.9%)を定義し、品質を確保。
月次改訂(Rolling Amendments)は、プロジェクトの進捗に応じて契約条件を調整するプロセスで、範囲、コスト、優先順位を見直すことになる。CGIの記事によると、Blanket Purchase Agreements (BPA) とIndefinite Delivery/Indefinite Quantity (IDIQ) 契約は、月次タスクオーダーを可能にし、結果が不十分な場合に簡単に停止できる。これにより、両当事者は最新の情報に基づいて協力し、信頼と透明性を高められる。
アメリカではという取り組みは意味を持つものではないが、リスク軽減措置として有用である。特に、政府における調達案件ではこのような工夫は必須である。

2.アジャイルパラドックス

アジャイル開発は変化への迅速な対応早期の価値提供を可能にする一方、その本質的な不確実性は従来の契約慣行が前提とする予測可能性や長期的なコミットメントと衝突する。

発注者の不安:
「最終的な成果物が見えない」
「予算が超過するかも」
「出口が見えない不安」

開発者のリスク:
「要求変更に振り回される」
「安定した収益が見込めない」

この問題を構造的に対処しなければ戦略的な脆弱性となり得る。不確実性を効果的に管理し、双方のリスクを低減する仕組みを持たない企業は競争上劣後する。

問題点として、IPAにおけるモデル開発契約は、劣ったものであり、紛争回避の手法としては不十分なものである。
これらのアメリカでの運用は、以下の点でメリットがある。

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日本との違い。なお、法的支援者は弁護士というよりも法務部中心になるケースが多い。

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3.以上をまとめた紛争解決手法

(1)スプリント単位契約 / 経済的柔軟性

メカニズム:
開発を1〜4週間の短期間に区切ったスプリント単位で実施し、各スプリント終了時に成果物を確認したうえで、次のスプリントを継続するか否かを発注者が判断する方式である。

競争優位性への貢献:
発注者にとっては投資リスクをスプリント単位に限定できること、開発者にとっては短期的な成果目標に集中できることにより、経済的柔軟性が確保される。

アジャイル開発は、反復的な短期開発(スプリント)を通じて価値の高い機能を優先的に実装する手法である。ウォーターフォール型の全体設計前提とは異なり、仕様変更を前提とするため、T&M契約や準委任的な取り扱いが適する。スプリント単位での契約判断は、手戻りの発生リスクを抑え、投資判断を段階的に行ううえで有効な仕組みである。

(2) 中間精算の明文化 / 構造的透明性

メカニズム:
契約期間中に中止または解約が発生した場合に備え、それまでに実施した作業に対する精算基準を契約時点で明確に定義する。

競争優位性への貢献:
発注者にとっては支払額が成果に連動することで納得感が高まり、開発者にとっては適切な対価の確保が保証されることから、構造的な透明性が向上する。
アジャイル開発においては、要件が進行中に変動することが常態である。早期の精算状況の共有と以下の見える化が必須になる。仕様の明確化および作業内容の記録を伴うプロセス設計は、訴訟リスクの低減と信頼醸成に資する。

(3)信頼スコアの可視化 / 心理的安全性・構造的透明性

メカニズム:
開発チームの応答速度や要件変更対応率といった「信頼性指標」を定量化し、リアルタイムで発注者に提示する。同様に、開発者のユーザへに対する信用度も重要な指標であり、言いにくいことを如何に言えるか、お客さまではなく、一体のチームであるという気持ちがユーザになければならない。

競争優位性への貢献:
発注者にとっては客観的なデータに基づいた判断が可能となり、開発者にとっては誠実な対応が可視化されることでモチベーションが向上し、心理的安全性と構造的透明性が確保される。

ソフトウェア品質の指標(例:残存欠陥数、網羅率、要求充足度など)は一般に定量的に管理される。アジャイルでは、スプリントレビューやステークホルダーとのフィードバックサイクルが頻繁に行われ、応答性や変更対応力が価値創出の鍵となる。これらの定量的把握は、信頼関係の可視化に有効である。同様に、ユーザが何をやっていないのか、それによってどのような影響を開発に与えるのかを継続的に見える(何度も警告したでは足りない)状況が望ましい。エスカレーションで、ユーザーの担当者の上司が見て不味いと思う可視化にしておかなければトラブルはベンダーに擦り付けられる。

(4)作業ログと成果物の可視化 / 構造的透明性

メカニズム:
開発作業の進行状況や中間成果物を、発注者がリアルタイムに確認できる環境を整備する。

競争優位性への貢献:
発注者は進捗を適時に確認できることで不安を軽減でき、開発者は作業の正当性を客観的に証明可能となり、構造的な透明性が実現する。

アジャイルでは、タスクボードやバーンダウンチャートを用いた進捗管理、スプリントレビューによる成果物確認が常態である。仕様変更による遅延・コスト増を抑えるためには、早期段階からの成果物レビューとログの整備が不可欠である。構成管理やトレーサビリティの確保も、品質保証と認識齟齬防止のために有効である。
これらは、当たり前のことではあるが、Slackや会議録を始め身内にしか分からない省略可された、記録しか残らないケースだと、事件を調べるユーザ責任者が怒り出す。そして、弁護士・裁判所も説明しきれず、専門家に頼るという無駄なケースになる。とすれば、素人でもわかりやすいログにすべきであり、エンジニアは今後自分で考えて書くというよりも、AIに補助してもらい、ルールベースで記録を整えてもらう手法が一般化されることになる。
同様に、スクラムリーダやプロジェクトマネージャー自身もまずいと気づいた時点で、弁護士などに相談し、記録を整えて、相手方に同意を早々に貰うプロセスも必要になるだろう(アメリカ的な手法)。
自らをプロとして、相手にわかりにくい資料で満足させようとしても、かえってユーザの不興を買うケースも多いので、作業をスタンダードに対応しているという自信があるのであれば、コミュニケーションもおろそかにすべきではない。
以上を、契約書に書くか、それとも運用ベースで対応するかは別の話であるが、少なくても契約は短期にし中途解約の場合は規定し、紛争を減らす仕組みをとるべきである。

導入

アジャイル開発は柔軟性と迅速な対応を重視する開発手法ですが、工数が増加しやすく、開発期間内に終わらないことが常態化しています。この状況をユーザーにどう説明するかは難しく、失敗すればトラブルに発展するケースも少なくありません。本記事では、その原因と対策を解説し、ユーザーとの信頼関係を築くための工夫について考察します。

アジャイル開発は変化に柔軟に対応できる開発手法として広く採用されていますが、現場では「炎上」「訴訟リスク」「信頼崩壊」といった事例が後を絶ちません。

炎上の根本原因は、ユーザーとベンダー間の構造的な認識ギャップと可視化不足にあります。

1. 構造的問題:ユーザーとベンダーの認識ギャップ

ユーザーの真の関心事

ユーザー(発注者)はアジャイルそのものより、以下に関心を持っています:

  • 予算が超えないこと

  • 成果が納期内に出ること

  • プロセスは基本的に煩わしいと考えている

  • 定例ミーティングやバックログ共有にも興味を失いやすい

ベンダー側の典型的な誤解

現場側では以下のように誤解しがちです:

  • 定例に出てもらっているから理解しているはず

  • バックログを見ているから安心しているはず

  • アジャイルだから仕様変更は当然受け入れてもらえるはず

このズレこそが炎上の第一歩となります。

2. ユーザー側の問題行動パターン

実務では、ユーザー側に以下の典型的な行動パターンが見られます:

後出しじゃんけんと責任転嫁

  • 「そんな仕様だとは知らなかった」と後出しの主張

  • 「なぜこちらに確認しなかったのか」と責任転嫁

  • 重要な前提条件・意思決定背景を隠しておき、手戻りを平気で求める

  • 手戻りのコスト認識が低く「当然対応すべき」と考える

なぜこうなるのか

  • ユーザー内部でも仕様が固まっていないことが多い

  • 政治的事情(部門間調整、役員承認)が優先され、ベンダーとの一貫性が失われる

  • アジャイル=仕様を最後まで決めなくても良い、という誤解が社内にある

これらの行動は、アジャイル開発の柔軟性が悪用されやすい構造的リスクでもあります。

3. 法律論・契約論では解決しない理由

炎上しそうになると「準委任契約だから成果は保証しない」「アジャイルはそういうもの」と法律論に逃げ込むケースがありますが、これは極めて危険です。

ユーザーの心理

  • お金の流れと成果の関係が不明瞭になったとき、最も不信感を抱く

  • 「知らなかった」「なぜ確認しなかったのか」を主張しやすくなる

  • 一方的にベンダーを追い詰め、訴訟や支払拒否の正当化材料にしやすい

法律論は最後の防衛線であって、関係性構築と情報の透明化こそが先行して重要なのです。

4. 解決策:ベロシティーとストーリーポイントの活用

基本概念

  • ストーリーポイント:作業量や複雑さをポイントで見積もる単位

  • ベロシティー:スプリント(1〜2週間単位)で消化できるストーリーポイントの実績

会話品質向上の効果

これらの活用により、以下の効果が得られます:

  • ユーザーに「変更は必ずコストとして跳ね返る」ことを視覚的に理解させられる

  • 「今後の手戻りがこの速度では吸収できない」ことを事前に議論できる

  • 「なぜ仕様確認が重要なのか」をユーザー側に納得させやすくなる

実務上のポイント

  • ベロシティーとストーリーポイントの概念をユーザー教育の一部に組み込む

  • スプリントレビュー時に、手戻りのインパクトを数字として示す

  • 手戻りが発生した場合、その影響を見積もり直しとともにユーザーに明示的に了承を取る

5. ユーザーが安心してお金を払いたくなる仕組み

必要な5つの要素

① 労働単価・作業単価の事前合意

作業内容ごとの単価・価値認識を揃えておく

② 作業内容と成果の透明化

非技術者にもわかる形で作業進捗とコード量などを見える化

③ 変化の記録と説明責任

機能追加・仕様変更の議事録と影響見積もりを必ず共有

④ ベロシティー/ストーリーポイントの活用

会話の質を上げ、手戻り=コスト/納期影響が自明になる状態を作る

⑤ 工数見積もりの「不確実性」を共有

見積もり精度の限界と信頼区間をユーザーと共有し、期待値調整

まとめ

アジャイルは「変化対応型」ですが、「変化悪用型」には耐性がありません。特にユーザーの後出し主張や隠し事への対処は設計時から組み込むべきです。

成功のための3つの原則

  1. 法律論は最後の手段

  2. 日常の会話レベルで数字・可視化を活用する

  3. ユーザー教育を意図的に行う

こうしたガバナンス設計こそが、アジャイル時代のプロジェクト成功の鍵となります。逆にこれを怠ると、裁判所が判断する前に「信頼関係が破壊」されて終わります。

ということで、開発キックオフミーティング後においても、開発概算見積もりは作るべきです。

1.開発体制の取り決め

重要になるのは、責任者の取り決めであり、誰がどのように報告をするかはそのまま開発業者の重しになるものであり、重要な話である。そこの取り決めをしないで開発を粛々と行うと、俺は聞いていないというケースが増える。俺は聞いていないは非常に厄介で、プロダクトオーナーが聞いていないというのは、もはや業者とユーザとの関係の悪化につながりやすい炎上ものと言ってよい。
この点、ユーザは、他の業者に任せているので、そこに聞いてと流しやすい。これが非常に曲者で、後で俺は聞いていないと言いやすいのだ。他の開発業者は、ユーザにはいい顔をするが、そもそも手を抜きたいので開発業者をコントロールしないし、自分の開発さえしっかりやっておけば良いと考える。そして、プロダクトオーナーの他の業者に任せているからそこを通してという依頼は、見事にはしごを外される。すなわち、その業者に報告をしても、なんらの反応もなく、オーナーに報告されているかといえばされていないケースもある。又は、その基本設計をした会社がオーガナイズして、スケジュール管理をすることで、ユーザーサイドにちゃんとした計画が伝わり、透明化がはかれるところ、逆に情報の非対称性を狙い(ユーザに報告する権限)、悪い報告をユーザにするケースもある。しかも、基本設計をしている会社は、相手と喧嘩したくないので、ミーティングではいい顔し、嫌な仕事だけを押し付けるケースもある。自分の開発を優先させ、他社に責任を押し付け、スケジュールが押したら他社責任にしてしまう。
実はキックオフこそが、方針をより決めるときに決定的な権利関係を決めるものになりやすく、逆に、契約はオペレーションと離れていると重視されないケースもある。だから、契約だけを重視した開発は危険なのである。
オペレーションで重要なのは、計画であり、積極的に計画を提示したところはそれだけ責任を取らされる結果となる。だから、計画を提示すべきということではない。
寧ろ、力関係、その他が開示されるように、議事録を作り、ケースによっては録画をして、何が起きているのかを明らかにしておく必要があるのだ。
基本設計をしている会社の方が基本的に発注者の近くに立つため、発言権が強かったりする。ついついその設計者の言う通りにして、うやむやにすると、後で責任を取らされるのは自分になりかねないことに留意すべきだ。
基本、サイコパス的な人材が入ると炎上しやすく、その部分を予想して、紛争にならないようにプロテクションを逐次考えておくと、後々役立つことが多い。
その例としては、相手の漏れが多く、任せるよと言っておいて、聞いていないというケースは、以上の報告を事前にしており、それを受け取った旨のコメントをしてもらっていますが、どうしましょうかなど言及するなどがある。
これに対して、無理な締め切りと量を依頼するケースは人月にあわせてみるとどう考えても難しい。他でできる会社があるなら紹介して欲しいなど述べるなど、やんわりと述べつつ、記録に取っておくと、感情の機微なども含めて裁判資料になる。事前に何を用意するかで、結論は変わりやすい。

2.スケジュールの点

気の弱い人及び休みがちな人はマネージャーやスケジュール管理側にいてはならない。
プロダクトマネージャーから色々言われて怯むと、内部の人間は病む場合がある。この点、過去の車のナビゲーションシステムと今の車のナビゲーションシステムで大きな転換があるが、それは期待値調節が今のナビゲーションシステムの方が優れているため、参考になりやすい。運転時間が記載され、少しだけ早めに信号を通過すると到着時間が少しだけ変わる(この点過去は、大幅に変化しやすく期待値的には運転者の負担が大きかった)。
作業量が増えるとそれが可視化されてこうなるという(時間と料金)状況を見せて(見せた証拠を作る)、調整をしてもらう。この繰り返しが、鎮静化を呼ぶ。
この点、難しいのはプロダクトのトータルでのケアは見落としが必ず出ること。そして、その見落としを誰の責任にするかの話である。往々にして、立場の弱いものの責任になりやすい。この点、議事録には、責任者は以下のように述べた。・・・・。この点精査しなければ分からず、その精査については時間をおいて、例えば15日20日かかって報告をすることもあると伝えた」など記載をするしかない。その後に抜け漏れを探し、抜け漏れとともに、他にも抜け漏れがある可能性などを一応指摘しておくしかない。
キックオフにおいては、テストについて誰がやるのか、その仕様についても話し合う必要があり、その仕様についてギリギリになってから対応しなければならない場合、期限から30日以上かかるケースもあることは伝えておく必要はある。ギリギリになってから、テスト仕様及びテストをしなければならないとすると、色々想定していない問題が発生するケースも多い。
この点、裁判官などは、工事と同じように考え、建物や道路のようにテンプレの通常のものがあると想像しがちである。それは大きく異なり、基本作り込みが必要であり、かつ、手戻りを考えて作る必要がある。意外と、裁判官の肌感とエンジニアの肌感は違うので、エンジニア側も話せばわかるという記録にしないことが大事である。この点、エンジニアよりも、GPTの方がメモを分かりやすく且つ第三者にもはっきりわかりやすく書くケースもある。
スコープをはっきりとさせる、作業時間や費用をはっきりさせ、かつ、納得感を作っていくのは契約後においても必要なのである。
開発の人、スケジュールの人は出来るだけ分けて、スケジュールの人はできるだけ開発の人を追い込まないようにバッファーを作り、メンタルケアをできるようにしておくことが肝要である。そうでなければ自分の首を絞めることになる。スケジュールの人はバッファー要員とし、必要に応じて入るという仕組みを作らないと、その開発要員が足らなくなったときに積む現象も出てくる。
同様に、スケジュールの人は、ユーザサイドが本来出すべきものを出さない場合は、その点について詰めて、延長を理解させる手腕も必要である。この点、基本設計の業者が窓口になってプロダクトマネージャーのように振る舞い、後でその業者が遅らせるだけ遅らせて、後に責任を負わせるケースもあるので、用心に用心を重ねることは必要である。
プロダクトログなどに記載するだけではなく、書面としてそうした状況を伝えたことを残していくことも肝要である。
無論、こんなことばかりすると、ユーザーに嫌われるよという人もいるが、裁判所に行けば必ず嫌われる話なので、ならば適度に釘を刺してうまく交渉で裁判所に行かないようにする方が費用対効果が良いことは理解しておく必要がある。

1.見積もり段階でのアジャイル

開発側とユーザー側は常にコミュニケーションが異なる。期待値は異なる。開発側は誠実に伝えることとテクニカルに伝えることと受注を受けたい気持ちがあり、幅広な見積もりを作りがちである。
これに対して、ユーザー側はふわっとしたアイデアが多く、資料も作っておらず、予算をたてるために見積もりを貰おうとする。そして相見積もりなどをして、値段などを踏まえて考えていく。個々に大きな落とし穴がある。
予算を立てる際に、多めに見積もらない限り、大体はうまくいかない。バッファーがないと、大体横道にそれる。あれもこれも後に追加することで、いいものができない。
ほとんどのケースは、盛り込み過ぎて、MVP(最小限の有効な製品)を作ろうとせず、市場テストをすることができない。これは、最初から負けることを確定しているケースが多い。
これに対して、市場に早くに出すことができると、市場のあたりハズレを早い時期に感じることができる。この点、市場に早いうちに出せば勝てるという勝負ではなく、大体はファーストペンギンのプロダクトを学習されて、二番目の方が戦略をうまく立ててなぎ倒すケースの方がある。例えば、フラーとメルカリの争いは、どう抜きさるかが勝負になった。金とマーケティング、決めが大事になることの方が多い。
大勝ちしようとして、機能を入れまくることで負ける方が多い。
この会話は、相手にしなければならない。無論、お客様と思っている業者はその点ができず、かえって盛り込む。なぜなら金になるからだ。同様に商品に入れ込み過ぎて、エンジニアがプロダクトを壊してしまうケースもある。とにかく、エンジニアは市場に入れてから勝負ということもあるので、機能を最小限で、プロトタイピングを作る方が勝ちやすい。
そのプロトタイプを手軽に作りつつ、再度の見積もりをする方が、顧客と開発業者はチームとして成立しやすい。すなわち、開発業者は、単なるプロダクトを完成させる人間と思われたら終わりなのだ。
見積もりを出す際、ストーリポイントについては説明をし、どうしてこの見積もりをしたのか明確にした方が良い。なぜなら、その前提を覆すユーザーが多いからだ。条件付けをしっかりして、見積もりをしていくこと、それを理解したことの証拠をユーザーから貰う必要もある。加えて、開発業者は人月的な部分もあるので、スケジュールを決めて、ここまでなら有効な見積もりであることも明確化しておく必要がある。
もう少し言えば、見積もりのための見積もりをするという手法もできる。コンペをして、客の注意を引くパターンもあるが、大体は客の期待値を上げつつ、チームプレイがうまくいかないために、コミュケーションがうまくいかないケースもある。
小さくでも良いのでお金を貰い、チームとして仕事ができるか否かを確かめるというのは重要な作業となる。この点、かかる作業をすると、多段階契約として請負になるという懸念もあるかもしれない。しかし、前述の通り、準委任ないしアジャイル開発契約=ゆるい優位な契約と思う方がまずい。要は揉めないようにするにはどうすればよいのかを考えるべきであり、そのために相性がどの程度あるのかを確認していく方が望ましい。

2.アジャイルにおける工数見積もり

実は、アジャイルの場合、工数見積もりは後でおきる話になる。すなわち、ユーザーは、キックスタートの段階まで資料を出さず、結果的に契約締結後に何らかの資料を出すケースの方が多い。この場合、アジャイルの先述の見積もりは意味あるのかという話があるが、裁判においては必ずその見積もりの証拠とその説明の状況説明は必要になる。
なぜなら、ユーザーは開発業者と全く違う方向性で考えている方が多く、その見積もりで多くの作業をさせることを考えているケースもあるからだ。つまり、留保と証拠は出来るだけ積み上げ、期待値を上げすぎない仕組みの方が好ましい。
そもそも安いから業者に依頼するという手法は、大きく空振りをするケースがあるので、そのような誤解を受けないように、業者としては見積もり段階でしっかりと説明をした方が望ましい。
期待値のずれを如何に操作するかが、炎上しないコツではあるが、その意味でエンジニア=説明できる人と思うのは誤謬である。説明をちゃんとできる人と腕の確かなエンジニアとは別の話であり、前者もチームとしていないといつの間にかすれ違ってしまうケースもある。
なお、アジャイルにおいては基本設計の説明を碌にせず、キックスタートになってから急に基本設計の詳細が決まり、それにあわせなければならないケースもある。その場合、その人間が上流になり、その人間を通して、プロダクトオーナーと話すという手間がかかる。そのものが責任感がないと、大きく炎上するケースもある。すなわち、基本設計をした人間がどこまで信頼できるのか、常に見ておく必要がある。
プロダクトオーナーは、常に協力的とは限らない。寧ろ、任せたくらいの気持ちになりやすい。特に基本設計を誰かに任せると、自分は営業をすればよいとして、意思決定を渋る。又は、意思決定をする情報が無く、結果的に判断できないなどのケース、その意思決定権限が無い人が恰もプロダクトマネージャーのようにふるまうケースもある。結果的にスケジュール管理を如何に開発業者がするかが肝になり。そのあたりの期待値操作を如何にやれるかが重要になる。そして、そうした記録をスプリントバックログ、プロダクトバックログ、定期ミーティングでもしておかなければならないが、できるだけその会議の詳細を書いて、誰が意思決定者か明確に書いておいた方が良い。なんなら今は議事録は自動化して、その上で分かりにくいところを加筆し、詳細に書く方が後々揉めたときに救済策になりやすい。
3か月というスパンの場合、できるだけ見えるものを作り、延長につなげたいケースもある。そこで、工数見積もりを後回しにするケースもあるが、ここがユーザをマネジメントするために必要であったり、費用の概算を出すために必要になるので、早め早めに計算した方が良い。ただ、ストリーポイントは、速さも関係するので、実際に計測して作成することになる。
とすると、最初は顧客の期待した概算を計画として埋め込み、顧客に見せるとしても、必ず徐々に変化して延長になることが目に分かるようにしておいた方が良い。その理由は、ユーザーは大体のケース多くの機能を盛り込み、より時間をかけることに力を傾注しがちだからである。その辺のマネジメントを怠ると、後にどちらが悪いか争うことになる。
確かに、自分の落ち度であるという証拠化こそが、ベンダー側の守りになるものであり、結果的に友好的にチームとして働きやすい環境づくりになる。
この点、ユーザーサイドがたまに強圧的で仕事がしづらくなるケースもある。この点は迷惑にしておかないと、スクラムを組んだメンバーが疲弊するケースが出て、結果的にチームの存続が危うくなるケースもある。そうした場合、速やかに問題を適示できる程度の証拠を集めて、エスカレーションをし、高い地位の人間に関与してもらい、緩和してもらう必要がある。
以上の通り、質の高いエンジニアを集めて、うまく運営できるというのは幻想であり、寧ろ、顧客とのやりとりがうまくできた方が炎上しないケースも多いことは認識しておくべきである。
基本的にアジャイルであることをいいことに、基本設計を逸脱したり、仕様変更を頻繁に行うケースも多く見受けられるが、それはユーザ自身が最初から気付いていない、又は、意図的に行っていることもあるので、線引きを早い時期に行うことが好ましい。揉めるならできるだけ早めに揉めるべきであり、時期が経てばたつほど双方に裁判で解決をしなければならないケースの方が多くなる。
以上のことを勘案すると、如何にアジャイルにおいては工数見積もりを出来る範囲で早期にだすかが鍵であり、かつ、その工数見積もりをいつ出せるのかを前出しするかで、顧客の期待値は異なることを理解しておくべきである。

1.初めに:日本におけるアジャイル開発の法的状況

アジャイルソフトウェア開発は、その柔軟性と変化への適応力から、日本においても広く採用されるようになってきました。
従来のウォーターフォールモデル(90%程度は請負)とは異なり、アジャイル開発(10%程度であり準委任が一般的)は反復的かつ段階的なアプローチを取り、開発の初期段階で詳細な仕様を固定しない点が特徴です。この特性は、ベンダー(受注者)にとって、迅速な開発と顧客ニーズへの柔軟な対応を可能にする一方で、法的観点からは新たな課題とリスクをもたらします。
本調査ノートでは、2025年4月6日時点における日本国内のアジャイル開発プロジェクトにおいて、受注者が直面する可能性のある裁判リスクを詳細に分析し、これらのリスクを軽減するための実務上の備えについて考察します。

(1)ソフトウェア開発特有の難しさ

ソフトウェアは裁判官そしてユーザーにとってなじみがなく、基本的に情報非対称性が発生します。その結果、折角ベンダー優位の契約をしても、裁判官は情報の非対称性などをベースにユーザ側に立ち、ベンダーに厳しい判断を行うことがあります。
一般的な工事とソフトウェア開発とを同視し、ベンダーはなんらのユーザーからのコミュニケーションなしに組み立てられると勘違いする裁判官もいます。しかし、工事についてはアジャイルは基本的になく、ソフトウェア開発特有と言っても良いものです。最近はアジャイルということが一般に広がりアジャイルガバナンスなどと言われますが、実際にわかって使っているケースは稀です。
ソフトウェア開発は基本的に工事と異なり、基準が標準化しているわけではなく、カスタマイズされています。その結果、要件定義を決めた場合、不可逆性を持ち、変更をする場合は大きな手戻りを起こします。よって、ユーザーは最初から神経をとがらせて決めるべきところ、ユーザーサイドは具体的なイメージが無いと判断できないとして後で決めようとすることが多くあります。これはウォーターフォールでは手戻りが発生するために基本的にご法度です。なお、アジャイルの場合、それはないと安易に考えるケースもありますが、実際には手戻りをすることもあり、それを避けるために、最小限の開発で手戻りを避けてしまう仕組みでもあります。
基本的にウォーターフォールでは要件定義が決まって、徐々に詳細設計・開発・テストなどの流れがありますが、アジャイルにおいては何度も小さく開発を繰り返すのが通常です。しかし、ウォーターフォールではしにくいことをするという非ウォーターフォールとしてアジャイルを考えるケースもあり、本件ではウォーターフォールにあてはまらないものをアジャイルとして言及することとします。
アジャイルについては、見積もり段階では見積もりが難しいケースが多いです。ストーリーポイントを雑に見積もって決めることが多いですが、それは徐々に開発の対象が分かってくることもあり、そもそも精密に見積もることができないという特性があるからです。
そして、ユーザーもあまり判断資料を渡さないことも多くあり、キックスタートになってから資料が多く出てくるケースは頻繁にあります。
よって、そもそもアジャイル開発は、紛争の宝庫であり、結果的にベンダーと優しくかつ几帳面なユーザー以外は、紛争が発生する仕組みです(これを基本的に相性の良いチームといいます)。
基本的に短期で仕上げるケースもあり、それを何度も契約を締結して延長するケースが多くあります。これは双方に相性を確かめ合い、排除すべきベンダーかをユーザーが確認しテイク必要があるからです。このため、ベンダーも、何をやったか、何をやるのかを記録化し、引継ぎとともに、報酬を定期的に貰っておく必要があります。同様に、顧客は製品を完成したいという希望があり、アジャイルにおいてもなんらかのものは期待しており、ベンダー自身もそれを理解し、説明とプロジェクトマネジメントをし、期待値を捜査していく必要があります。それは情報の非対称性から発生するところでもあります。
以上の特性があり、ウォーターフォール開発は請負、アジャイル開発は準委任とされるものの、アジャイル開発においても重たい善管注意義務が課されており、アジャイル=免責という関係ではないことを理解しておく必要があります。

(2)法的責任

ソフトウェア開発プロジェクトにおける契約類型は、プロジェクトの進め方や成果物の性質によって異なり、法的責任の所在に大きな影響を与えます。アジャイル開発とウォーターフォール開発は、その進め方の違いから、適用される可能性の高い契約類型も異なります。

①請負

請負契約は、当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生じる契約です。この契約類型の核心は、「ある仕事の完成」という明確な成果物の納品義務が請負人に課せられる点にあります 。請負人は、契約で定められた期日までに、契約内容に適合した成果物を注文者に引き渡す義務を負い、引き渡された成果物に瑕疵があった場合には、契約不適合責任(旧法における瑕疵担保責任)を負うことになります 。
この請負契約は、ウォーターフォール開発モデルとの親和性が高いと考えられます。ウォーターフォール開発は、要件定義、設計、開発、テストといった工程を順次進めていく手法であり、プロジェクト開始前に詳細な仕様が確定され、最終的にその仕様に基づいた完成品を納品することが目標となります 7。したがって、ウォーターフォール開発におけるベンダーの義務は、まさに請負契約が定める「仕事の完成」と合致しやすく、法的紛争が生じた場合も、契約書に記載された仕様と納品物の適合性が主な争点となることが多いと考えられます。

②準委任

準委任契約は、委任契約と同様に、当事者の一方(委任者)が法律行為でない事務の処理を相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生じる契約です。準委任契約において受任者が負う主な義務は、委任された事務を善良な管理者の注意をもって処理すること(善管注意義務)であり、特定の成果物の完成を保証するものではありません 。
アジャイル開発は、その開発プロセスが反復的であり、開発中に要件や仕様が柔軟に変更されることを前提としているため、一般的に準委任契約に近い法的性質を持つと考えられています 。情報処理推進機構(IPA)も、アジャイル開発の外部委託においては、請負契約ではなく準委任契約を用いるのがより適切であるとの見解を示しています。これは、アジャイル開発の特性である、開発途中の機能追加・変更や優先順位の変更への柔軟な対応が可能であるためです 。

(3)契約類型の法的影響

契約類型が請負契約か準委任契約かによって、ベンダーが負う義務と潜在的な法的責任は大きく異なります。準委任契約においては、ベンダーの責任は主に、委託された開発業務を専門家としての知識と能力をもって、適切かつ誠実に遂行したかどうかに焦点が当てられます。したがって、法的紛争は、開発プロセスにおけるベンダーの過失や善管注意義務違反の有無が争点となる可能性が高くなります 。一方、請負契約では、ベンダーは契約で定められた完成品を期日までに納品する義務を負い、納品物に契約内容との不適合があった場合には、契約不適合責任を追及される可能性があります。アジャイル開発においては、最終的な成果物の仕様が開発の進行とともに変化していくため、請負契約を締結した場合、納品物の適合性を巡って紛争が生じるリスクが高まります。準委任契約であれば、ベンダーは各スプリントにおける開発業務の遂行責任を負うことになりますが、最終的な成果物の完成責任を負わないと解釈されることが多いです。

画像

先述の通り、善管注意義務は過程の妥当性を確認するものであり、そしてその注意義務は、画一的に決まるものではありません。ユーザーがベンダーと同じ立場であれば、ユーザーはSES(System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)としてクライアント企業にITエンジニアの技術力や労働力を提供するサービスと類似するものとなります。その場合は、ベンダーはユーザーの指示に従って作業をすることが多くなります。これに対して、ユーザーが何らの技術的な知識を知らないケースにおいては、裁判官も情報の非対称性などを考慮して判断することがあります。

3.受注者が直面する裁判リスク

受注者がまず気付くべきことは、コーディングをすぐにわかる弁護士は多くいないことです。基本的に大手の弁護士事務所においては理解するものもいますが、それほど多くいるわけではありません。訴訟を提起する側もそれほど理解して訴訟提起しているわけでもないケースも見受けられます。
タイムチャージでなければ受けられないケースもあり、費用はそれなりにかかります。よって、まずやるべきは訴訟を回避し、話し合いで終わらせることです。上場会社においては多額の和解金などを払う場合は説明責任の観点から訴訟を提起しなければならないケースもありますが、そうでない企業はまずは炎上対策をする必要があります。

(1)リスク①:仕様変更の曖昧さに起因する履行範囲の争い

アジャイル開発では、プロジェクト開始時にすべての仕様を明確に定義することは難しく、その上での見積もりを提供することになります。開発の進行とともに仕様が変更されることが前提となりますが、見積もりの曖昧さが、契約に含まれる履行範囲を不明確にし、結果として以下のような争いを引き起こす可能性があります。

  • 当初の見積もり金額で実装すべき内容か否かを巡る争い: ユーザーが、後から追加された仕様や変更が当初の見積もり範囲に含まれると主張し、期間を徒過したとして追加費用の支払いを拒むケースが考えられます。

  • 納品物が不十分と評価され、追加開発を求められるリスク: ユーザーが、アジャイル開発における各スプリントの成果物や最終的な納品物が、自らの期待するレベルに達していないとして、不十分であると主張し、追加の開発を無償で要求する可能性があります。

  • 「成果責任を負っていない」旨の主張が退けられる可能性: ベンダーが準委任契約であることを根拠に最終的な成果物の完成責任を負わないと主張しても、契約の内容や開発の経緯によっては、裁判所がベンダーに一定の成果責任があると判断する可能性があります。すなわち、アジャイル=免責という安易な考え方はダメで、善管注意義務を重視していく必要があります。

裁判においては、開発中の ユーザーとベンダー間のやり取り(議事録、メール、仕様書の版管理など)から、適正な判断と作業などの過程があったか否かが重視されます。適正なマネジメント運営が期待されていますので、仕様変更に関する合意形成のプロセスと、その記録を明確に残しておくことが極めて重要となります。

(2)リスク②:情報提供義務違反とされる可能性

裁判所は、情報システムの開発を請け負うベンダーは、その専門性を有していることを前提として、ベンダー に対してより重い説明義務を負うと考える傾向があります。アジャイル開発においては、特に以下の点について、ベンダーが十分に情報提供を行っていたかが争点となる可能性があります。

  • アジャイルの進め方自体(仕様変更リスク・追加費用の発生可能性)を事前に説明していたか: アジャイル開発の特性、すなわち仕様が流動的であること、それに伴い当初の見積もりから費用や期間が変動する可能性があることを、ユーザに適切に説明していたかが重要となります。

  • スプリントごとの成果を「受入済み」と認識してもらう工夫をしていたか: 各スプリントの成果物について、 ユーザーから明確な受入確認を得るためのプロセスを確立し、その記録を残しておく必要があります。単に成果物を提示するだけでなく、 ユーザがその内容を理解し、合意したことを示す証拠が求められます。

  • ユーザが誤解するような状態で放置していなかったか:ユーザ がアジャイル開発の進め方や成果物の認識について誤解している可能性がある場合、ベンダーが積極的にその誤解を解消するための努力を怠っていたと判断されるリスクがあります。

(3)リスク③:進捗管理・課題共有の怠慢による信頼喪失

アジャイル開発は、「透明性」と「迅速な課題発見」を重要な要素としていますが、以下のような状況が生じると、ベンダーの信頼性が損なわれ、法的紛争につながる可能性があります 。

  • スプリント単位での完了報告が形骸化し、認識齟齬が累積: 各スプリントの完了報告が単なる形式的な手続きとなり、 ユーザ とベンダー間で成果物や進捗状況に関する認識のずれが積み重なるリスクがあります。

  • 不具合や技術的制約が早期に共有されず、後半で重大化: 開発中に発見された不具合や技術的な制約について、早期に ユーザ に共有せず、プロジェクトの後半になってから重大な問題として表面化した場合、ベンダーの責任が問われる可能性があります。この点を踏まえて見積もりでの簡易なストーリーポイントから離れて適宜適切な工数見積もりと管理をしていく必要性があります。この点、透明化をし、なぜ工数が見積もれないのか、工数の把握が難しいのかも含めて早い段階に説明しておく必要があります。

  • PO(プロダクトオーナー)の理解不足を放置し、 ユーザ 側の誤解を助長: ユーザ 側のプロダクトオーナーがアジャイル開発のプロセスや成果物について十分な理解を持っていない場合、ベンダーがその理解不足を放置し、 ユーザ 側の誤解を助長したとみなされる可能性があります。基本的にここのリスクは大きく、話を安易に合わせず、言うべきことを言わなければ後々障害が発生することもあります。基本的議事録に明記し、争いがあったことも分かるようにしておくのが良いです。

4.裁判になった場合に要求される資料

契約書、要件定義、仕様書などだけでは足りません。作業報告書、スプリントバックログ、プロダクトバックログの他、ソースコードの分析をし、ベンダーが実際に何をやったのか作業報告を裁判官にわかりやすくしなければなりません。
基本的に裁判官からすればアジャイル、ソースコード、プロダクトオーナーなどの言葉すら分からないケースも多くあります。
問題は、ベンダーがユーザーのクラウドにおける開発環境で開発をしていたため、情報が何もないケースです。基本的に争いになることが通常であり、備えておかなければ、負けることもあります。その意味で、基本的にバックアップをしておいた方が良いです。そうでなければ裁判をしながら、資料を許攸しなければならない手間が増えます。
その上で、裁判官にわかりやすく説明するために、以上の証拠を分析し報告書にまとめ上げていく必要があります。この点ソフトウェアエンジニアは、この程度ならわかるだろうとして弁護士に丸投げしてしまうケースもあります。しかし、それでは大体足りません。例えば会議は現場にいたもの以外は分かりません。コミュニケーションも基本的に開発者同士のコミュニケーションはコンテキストを欠くため、理解できないのが通常です。これは外部のソフトウェアエンジニアにも当てはまることであり、分かって当然ということはないのです。基本的に時間は限られており、ソフトウェアエンジニアは弁護士に適切に説明をし、その作業の妥当性を裁判官に理解してもらう必要があります。基本的に裁判官は上記の通り、情報の非対称性からエンジニアの味方というわけではないのでより分かりやすく説明しておかなければ後で苦しむことになります。
常に紛争があることを理解して備え置くことがエンジニア又は経営者にとっては重要なことと理解しておいた方が良いです。そして、早めにソースコードやプログラムが分かる弁護士に相談し適切な手法をとっておいた方が、裁判をするよりもはるかに楽になることも理解しておいた方が良いでしょう。

背景と従来のフランス法上の扱い

  • これまでのフランス国内の裁判例

    • 労働者が有給休暇中に病気になっても、その期間は休暇として消化されたものとみなされ、後日取り直すことはできませんでした。

    • 病気による就労不能は、原則として有給休暇の進行を停止させるものではないとされていました。

    • ただし、労働協約などで特別に認められている場合は例外でした。

  • EU司法裁判所(CJUE)の立場(2009年以降の判例)

    • 有給休暇の目的は、労働者が十分に休養・余暇をとることにあります。

    • 休暇中に病気となった場合、労働者は休養が実質的に享受できなかったと考えられます。

    • したがって、病気と重なった有給休暇は後日取得できるべきという判断を繰り返し示していました(例:2009年 Schultz-Hoff 判決など)。

  • 2024年4月22日公布のDDADUE法

    • この法律は、病気休職中にも有給休暇が発生・蓄積し、後日取得できることを明文化しました。

    • これは、フランス法をEU法に適合させる目的で導入されたものでした。


⚖️ 2025年9月10日 破棄院判決の意義

  • 新たに示された原則

    • 破棄院は、休暇中に病気となった労働者は、その期間に重なった有給休暇日数を後日取得できると判断しました。

    • これは従来のフランス国内判例を大きく転換するものです。

  • 判決の論拠

    • 有給休暇の目的は「休息と余暇」であり、

    • 病気休暇の目的は「療養・回復」であるため、性質が異なる。

    • よって、病気になった期間を有給休暇とみなすことは、労働者の休養権を侵害するとされました。

  • 実務上の結果

    • 労働者は、病気と重なった有給休暇を後日取り直すことができるようになります。

    • 労働者は医師の診断書などで病気を証明する必要があります。

    • 企業側はその日数を休暇残数に戻し、再取得を認める義務を負います。


📌 実務・制度上の含意

企業側にとって

  • 勤怠・給与管理システムの変更:病気と重なった休暇日を再付与する仕組みが必要

  • 不正防止のための手続整備:海外での休暇中病欠などの確認方法を設ける

  • 拒否した場合の訴訟リスク:不当な拒否は労働紛争につながるおそれ

労働者にとって

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I. Introduction: The High-Stakes Landscape of Complex Litigation

Software development and intellectual property (IP) litigation can represent critical inflection points for a company due to their inherent complexity and the significant interests at stake. Choosing the right legal counsel is not merely an administrative decision — it is a strategic one that can profoundly impact the company’s financial stability and its future operations.
This report examines how selecting counsel for highly specialized disputes, such as software and IP litigation, based solely on cost considerations can lead to significant losses. The perceived benefit of upfront cost savings can be rapidly outweighed by higher direct and indirect costs when an attorney lacking the necessary expertise is retained for software and IP litigation, which demand unique technical and legal skills.

II. The Illusion of Savings: How Cheap Legal Counsel Can Become Costly

The direct and indirect costs associated with retaining an inadequate legal representative are wide-ranging. While an attractive low hourly rate or retainer may seem appealing, it can quickly be offset by inefficiencies, inexperience, and ultimately, unfavorable outcomes.

A. Hidden Costs and Inefficiencies
Inexperienced attorneys may require more time to complete tasks, driving up the total billable hours over the life of the matter. Unfamiliarity with the procedural and strategic nuances of complex litigation can lead to oversights and errors that necessitate costly remediation.
In one case, a client who engaged low-cost, generalist counsel faced procedural errors that caused delays and unnecessary expenses. Moreover, if an attorney is not proficient with the legal technology necessary to manage complex evidence and filings, it can result in inefficient workflows and a lack of critical tools, further inflating the total litigation costs.

B. Heightened Risk of Adverse Outcomes
An attorney’s depth of knowledge and strategy directly affects the likelihood of success. Many software and IP disputes involve substantial financial stakes. If poor representation results in an unfavorable judgment, the company may face significant monetary penalties, including damages and opposing counsel’s fees.
In complex IP or software litigation, the financial impact of losing often dwarfs any initial savings from hiring a lower-cost attorney. The consequences of an adverse judgment can be devastating: lost profits, injunctive relief that disrupts operations, and reputational harm.

III. Strategic Missteps: The Need for a Tailored Legal Strategy Beyond Basic Wins

In software and IP disputes, there is more at stake than simply “winning” a case. Experienced attorneys develop customized strategies aligned with the client’s broader business objectives.

A. Understanding Business Objectives
Litigation goals can include maximizing or minimizing damages, securing or preventing injunctive relief, protecting brand reputation, and mitigating future risks.
Low-cost attorneys may focus narrowly on legal wins without considering these broader commercial implications. A strategic attorney acts as a business partner, tailoring legal strategies to align with long-term business goals — a perspective that bargain counsel often overlooks.
Litigation in these areas is not just about court battles; it is a strategic maneuver that supports the company’s long-term vision.

B. Developing a Comprehensive Litigation Strategy
Seasoned counsel understands the importance of early case assessment, identifying critical legal and technical arguments, and anticipating opposing strategies.
They leverage knowledge of case law and industry practices to craft effective approaches. For example, the “Seven Strategies for IP Risk Management in Software Development” illustrates how a strategic lawyer integrates risk planning into litigation strategy.
Strategic planning, grounded in deep expertise, helps anticipate challenges, optimize resource allocation, and guide the client to success throughout the litigation lifecycle.

IV. Navigating Technical Terrain: Expertise in Managing Software and IP Evidence

The complexity of handling technical evidence in software and IP disputes is significant. The need for an attorney with specific technical understanding and experience is clear.

A. Identifying, Gathering, and Analyzing Technical Evidence
Contracts, specifications, bug reports, source code, technical documentation, and expert testimony are just some of the evidence types involved. The attorney must grasp the underlying technology to identify relevant evidence effectively and assess its significance.
Expert witnesses play a critical role in analyzing code, evaluating infringement claims, and confirming IP rights.
Without a basic understanding of the software development process or the specific IP at issue, an attorney may struggle to manage and leverage technical evidence, missing opportunities or making costly mistakes.
These cases often hinge on technical facts; if the attorney cannot fully grasp these details, the client’s position may be seriously weakened.

B. Selecting and Strategically Presenting Evidence
Choosing which evidence to present — and what to exclude — can profoundly influence a judge’s understanding of the case.
Experienced counsel makes these decisions based on a blend of technical comprehension and courtroom experience.
Effective evidence handling includes proper organization, translation (if needed), and ensuring admissibility.
Good evidence management is not just about collection — it requires a strategic approach that aligns with the broader legal strategy and technical nuances. Clear, persuasive presentation is vital for convincing judges and juries.

V. Communicating Complexity: Helping the Court Understand Technical Issues

Ensuring that the court fully understands the technical complexities involved is vital — especially as judges are rarely software or technical experts.
An attorney’s ability to translate these details into clear, accessible explanations is essential.
Experienced counsel can demystify complex technical terms for the court. Visual aids, analogies, and expert testimony are critical tools for clarifying technical concepts.
Skilled attorneys know how to deploy expert witnesses strategically to explain the technical aspects of the dispute. They may also use legal mechanisms such as patent tutorials or claim construction hearings (Markman hearings) to educate the judge.
If the court fails to grasp the technology at the heart of the dispute, it will be difficult to secure a favorable outcome, regardless of the legal merits.

VI. Ripple Effects: Hidden Costs Beyond Attorney Fees

There are many indirect, often unseen costs that can arise from hiring a low-cost attorney. Inadequate representation can increase the time, effort, and additional expenses required.
Inexperienced counsel may demand more input and support from the client, consuming valuable internal time and resources. Procedural delays caused by inexperience can disrupt business operations.
Furthermore, an inexperienced attorney may miss early or favorable settlement opportunities, prolonging litigation and driving up costs. Poor negotiation skills can also result in unfavorable settlement terms.
In software litigation, effective negotiation is critical to balancing costs, risks, and outcomes. Even if the hourly rate is lower, inefficiency and lack of expertise can cost the client far more in the long run.

VII. Protecting Intangible Assets: The Long-Term Impact on Brand and Business

The long-term impact of litigation outcomes on a company’s brand, reputation, and business prospects cannot be overstated. Poor legal representation can damage these vital assets.
For example, mishandled IP litigation can tarnish a company’s reputation and erode customer trust. High-profile IP disputes show how negative outcomes can affect public perception.
Additionally, a negative litigation record can undermine future fundraising, partnerships, and business opportunities. Investors and partners may avoid companies perceived as weak on IP protection or as having mishandled significant disputes.
The impact of patent litigation on venture capital investment further illustrates how the quality of legal counsel affects long-term business success.

VIII. Making an Informed Investment: Evaluating Counsel Based on Value, Not Just Cost

When selecting counsel, it is vital to consider factors beyond fees alone. Choosing an attorney with relevant experience in software development and IP litigation is essential.
Look for attorneys with a proven track record in similar disputes. Their ability to understand the technology involved and explain complex issues clearly is equally important.
Assess negotiation skills for potential settlements. Finally, evaluate the attorney’s strategic thinking and alignment with your business objectives.
Hiring legal counsel should not be seen merely as a cost but as a strategic investment focused on long-term value, favorable outcomes, and business protection. The right attorney can significantly reduce risk, maximize the chances of success, and ultimately prove to be a more cost-effective choice.

IX. Decision Criteria

🔵 Top Priority (Critical)

Specialization and Experience

  • Standard: Past successful cases, deep knowledge of software and IP litigation.

  • Why: Specialization directly impacts outcomes. Proven track record is evidence of capability.

Evidence Management & Technical Proficiency

  • Standard: Ability to analyze source code, organize contracts and bug reports, and present these clearly in court.

  • Why: Proper handling of technical evidence is decisive; lack of expertise can lead to unfavorable results.

🟢 High Priority (Important)

Strategic Litigation Planning

  • Standard: Approach aligned with corporate strategy, maximizing long-term benefit.

  • Why: Litigation must serve business goals, not just a win. Strategic thinking is indispensable.

Negotiation & Settlement Skills

  • Standard: Ability to secure favorable settlement terms and propose them at the right time.

  • Why: Skilled negotiation controls costs and time.

  • Check: Ask for examples of past settlements where they achieved time and terms advantages.

🟡 Medium Priority (To Be Considered)

Communication Skills

  • Standard: Clarity in explanations, timely progress reports, ability to build trust.

  • Why: Understanding complex situations and making informed decisions depends on this.

  • Check: Test their clarity in the initial consultation.

Transparency of Fee Structure

  • Standard: Clear pricing, explanation of additional fees, cost-effectiveness.

  • Why: Litigation costs can be significant; clarity helps manage ROI.

  • Check: Confirm if they can offer alternative fee structures like success-based or fixed fees.

🔴 Low Priority (Optional Consideration)

Law Firm Brand

  • Standard: Balance large firm resources versus specialized boutique focus.

  • Why: Branding may add comfort, but expertise and track record come first.

✅ Additional Points to Consider

  • Understanding of Corporate Strategy: Do they grasp your business model and market position, and can they incorporate these into litigation strategy?

  • Responsiveness and Availability: Do they respond promptly and handle urgent matters efficiently?

  • Ethics: Is there a record of integrity and professionalism?

  • Use of Technology: Do they use advanced tools for evidence analysis and communication to improve efficiency and accuracy?

💡 Conclusion

Top priorities are specialization and experience, plus evidence management and technical proficiency — without these, your litigation foundation is weak.
High priorities like strategic planning and negotiation skills protect your long-term interests and control costs.
Costs should be assessed with transparency and effectiveness in mind — but never prioritized over core competence.
By leveraging these criteria, asking the right questions, and verifying proven track records, you can select legal counsel who not only minimizes risk but adds tangible business value.

共著として執筆いたしました

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  2. 経営層への効果的な説明:生成AI投資の期待効果とは

  3. 社内ガイドラインの策定と実運用

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  • 潜在ニーズ・課題の抽出

  • 高効率・高信頼のシナリオプランニング

  • 擬似人物を用いた新規事業アイデア創出

  • 特許調査・明細書・発明提案書の効率化

  • 知財データから高リスク特許の抽出・戦略立案

  • プレゼン・提案資料の自動生成

  • 熟練技術者のノウハウ自動抽出と伝承

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