新規事業立上げに関する注意点と弊所サポートサービスについて
2023.02.22
1.新規事業と既存事業との違い
新規事業と既存事業の差は、大きいです。新規事業立ち上げする際には、よく以下のようなリスクやハードルが生じます。
・分かりやすい評価軸がない
・バックアップが十全にない
・やれと上司から言われても、その上司が実際に何をすべきか把握しきれていない。結果的に詳細な段取りは立上げ当事者が決めることになる
・やることが決まっていないため不安になる
・他のメンバーから金食い虫的な見方をされ、権力的な部分でも弱い
・社長の一声で取りやめになる可能性がある
・主流派ではないためやる気が出ない
・うまく行ったからと言って評価されるかわからない。手柄を横取りされる可能性もある・予算がとりにくい
・兼業になり、集中できない。後回しになる
など
以上を見ると、割に合わないように見えます。
新規事業立上げ当事者にとっては、それを好まない社員の方が多いように見えるものです。
上司も、上層部からの指示があったからとりあえずやった状況を作るケースもあります。
つまり、往々にして、上司が上層部に説明できる事例が欲しいだけのケースもあるということです。
よって『新規事業』については
①形だけの新規事業
②本気の新規事業
が存在しうるわけですが、
今回は②について記載することとします。なお、弊事務所では①についての相談が来ることもありますが、その場合は本音を早々に開示して欲しいと考え、お客様にもお伝えしております。(お客様にとって本来必要でない時間や費用コストを省略するためです。本音を開示していただくことで、コスト軽減のほかにも異なるアプローチやサポート案をより具体的かつ効率的に提供することができます。)
2.メンバーの選定
主流側の人間と新規事業における適正なメンバーは全く異なります。
新しいことを自ら選定し、試していく。失敗をしつつ、適正なビジネスになるまでやりきる姿勢が必要です。
頭が切れるかどうかよりも、Yesと述べ迷わず着手できるメンバーの方が、実践的です。熟考して、行動に移せない人材は不適正であり、かつ有害ともいえます。
実践においては、記録を残しておき同じ失敗を繰り返さないように心掛けることが肝要です。
但し、行動のみでは混乱が発生しがちです。
そこは『見える化』をしていく必要があります。加えて、目標(イベント)から逆算でやるべきことを決めていく必要もあります。
また同時に、目標に到達できない場合に備えて撤退プランを事前に決めなければ、ずるずると同じことをやって死んだ目をした事業部署になってしまう可能性もあります。貴重な人材をこのような状況で維持(浪費)するのは勿体ないことです。
X-dayを決めてやるべきことを迅速に記載していくと、『何となく・・・』という状況は無くなります。この点では、危機管理業務と新規事業立上げ業務は類似していると考えられます。
もし企業が兼務で新規事業を立上げるとしたら、大体の場合は上記①と考えてよいと思います。小さい企業で人員が少ない場合にはやむを得ないこともあります。しかし例えそのような場合でも、本気度を示すために、社長自らが関与するなどのコミットメントが必要になるでしょう。
新事業立上げメンバーには以下の要素が必要です。
・自律的に動ける
・転職も視野に入れた上で、自身のキャリアプランとして望ましいと考えている
・就業・残業云々よりも責任をもって事業に参加したい
・主流の目線を気にしない
・リスクへの耐性がある
・祭り好き
このようなメンバーの素質は、テストにより炙り出すことが可能です。
上司の選定も重要であり、責任をとれる立場以外の人間を上司にしても無意味です。主流事業の人間を超えた立場でなければ、新規事業を守ることもできません。
結論として、ここに企業の決意と腹の座りどころがあるわけです。
3.阻害する部署
新しい部署の場合、事例があるわけではないので法務としてはリスクをとりにくいことが多いです。万が一、マスメディアなどに記載されて批判などされた場合立つ瀬がないと考えるからです。その意味で、法務部や管理部としては新しい事業をすること自体好ましくない、又は、責任を負いたくないと考えるケースもあるでしょう
そうした時に弁護士と相談して決めているなどの裏付けがあると進めやすくなります。もちろん結論ありきで、弁護士に相談したということでは駄目です。一方で、弁護士も『法令に違反する』というコメントを出して終わりということをしてもなりません。弁護士や法務部の仕事は、法律違反があるとして、『どのように工夫し、どんなビジネスモデルに変更した場合に違法でなくなるか』を新規事業者と協議の上で見つけ出すまでが仕事であるからです。
4.弊所サポートサービス
貴社の新規事業立上げについて、上記2.で述べた組織編成までしていらっしゃるにもかかわらず、相談先専門家より『法令に違反する、終わり!』というコメントだけで完結された場合には、どうぞ弊事務所までご連絡ください。具体的な解決策等、状況に寄り添いつつご提案させていただきます。