本社移転による海外進出の前に輸出・輸入によるファーストアクションを!
2012.05.17
円高・法人税の高さ・原発問題等エネルギーの問題、人件費様々な問題があり、もう日本にはいられないと考える経営者は多くいらっしゃいます。重たい決断を早期にしなければならない経営者は相当のプレッシャーにさらされるものでしょう。残された日本人の従業員はどうなるのか、現地でどうサバイバルするのかなど頭痛の種はつきません。
昨今、日本の大手法律事務所もアジアに進出し大手の企業をサポートしようとしています。そして日弁連も中小企業に向けてかかる進出支援サービスをするとしてます。弊事務所もかかるサービスをすることに関しては前向きです。
しかし、現地のパートナーを数回会って信頼できるとして会社を立ち上げ、経営するには余りにリスクがありすぎるという他ありません。弁護士はこうしたときにサポートをするものではありますが、泥舟に乗ってしまった場合沈んでいく船を助けるにも限度があります。
最初が肝心であることは言うまでもありません。現地を知るには数年という月日が必要です。大規模な投資をする潮目も見る必要もあります。何も土地勘のない国に進出することは、まさに目隠しをして画鋲や釘など危険な場所に行くに等しいです。
進出予定国で製品を販売する予定は、工場を建てる前にディストリビューターを見つけるべきです。数年の取引で信頼できると判断できれば、そのままの関係を継続し工場を現地に建てることも考えられます。そのものは信用できないが、予定国の市場がそれなりの利益を見込めるとすれば、さらなる手立てを打てばよいだけの話です。販売店契約によって想定しやすいリスクを抽出し、経営判断をしていきます。
競争力をつけるには、コストを下げる必要があります。メイドインジャパンというブランドがあるとしてもそれが、あまりに高ければ見向きもしません。輸出にかかるコスト、税金(関税も含む)など洗い出す必要があります。
進出地として、日本がEPA(経済連携協定)を締結した国をまず選択することをお勧めします(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/)。関税面で有利な条件を得ることができます(http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/file/rule_of_origin_epa.pdf)。
勿論、EPAのメリットは、工場を海外に建築し日本に輸入する場合も検討する必要があります。
関税等についても配慮した契約を締結することも、知的財産の手立て、現地法制の配慮、その他の貿易特有の問題に対する配慮だけでなく必要なことだと思います。
弁護士 角田 進二
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