タームシートと投資契約
2015.10.21
タームシートは、投資契約の前に条項を明確化し、折り合えるか否かを決定するために議論の叩き台として必要なものです。しかし、タームシートで決まったからそれが反映された投資契約になるとは限りません。しっかりした投資契約は、弁護士が作成したりしております。投資家サイドが弁護士とちゃんとコミュニケーションをしていない場合もあります。タームシートと投資契約は別物で、反映していない場合を想定して投資契約を見ておく必要があります。
ちなみに、タームシートで金額だけを見るというのは危険です。ストックオプションの制限、事前相談事項(手間に成り過ぎないようにする)、経営株主に対する買取請求、資金使途、競業避止義務のあたり非常に大事です。タームシートの段階で自分が分かると思わないで、外部の専門家に早めに相談された方が良いと思います。
投資契約においては、表明保証などより詳細な事項が決まってます。表明保証で約束できないものも弁護士が勝手に入れ込んでしまったいる場合もあります。約束できない事項は約束できないと言い切るしかありません。経営者の縛りや経営者が支払わなければならない部分についても注意をしておく必要があります。
経営は、いいときばかりではありません。次回のファイナンスも考えておかなければなりません。一度は高値に設定してもらったものの、それ仇になって次回のファイナンスが上手くいかない場合もあるのです。
本来的にファイナンスは、うまく行っているときに競争相手を出し抜きたい場合に使用するものです。または、VCのネットワークを使いたい等の目的の場合もあります。しかし、それを忘れて高値で評価されたことに意識が集中してしまうことがあるので注意が必要です。