TICAD VI に出展しました
2016.10.04
赤坂国際法律会計事務所は2016年8月27日から28日にかけて、ケニアのナイロビで行われたTICAD(アフリカ開発会議)に出展しました。以下は回想録です。イベントの様子や想いを感じて頂ければと思います。
TICAD VIジャパンフェアに参加したきっかけ
前回ケニアに行った際、JICAの方よりブースを出さないかとお誘いを受けました。オフィシャルなお誘いではないのですが、弁護士事務所でブースを出しているところはないので面白いと思いました。少なくとも、ブースを出している側の人間の気持ちが分かるのは今後の勉強になると思い出展をすることとしました。アフリカの方々と交流できること、日本企業のニーズを知る良い機会であることなどもブースを設置する理由です。
アフリカの要人とコミュニケーションを取ることで日本企業にとって投資しやすい環境づくりをすること、日本企業個々で独自で動くよりも総体的に情報を収集することでリーガルでのコストを軽減するプラットフォームをつくること、日本技術のアフリカ各地におけるスムーズな導入によりアフリカの経済発展に貢献することで日本とアフリカの経済的なパートナーシップを強化すること、若い層が多いアフリカ諸国と超高齢化が進む日本との新たな関係構築をすることができれば良いと考えております。
TICAD VIに参加して
3月のケニア訪問の際、TICAD VI関係者がケニアとの折衝等で大変そうにされておりましたので、TICAD VIの会合がスムーズに開催されるかなど内心ドキドキしていました。しかし、その予想を上回る完成度に驚きを隠せませんでした。
残念ながら本会議には参加できませんでしたが、サイドイベントとジャパンフェアには参加することが出来ました。一つ一つのイベントや会合にアフリカと日本の思いがあり、興味深いものでした。すべてにアフリカをどのように良くしていきたいのかという思いがあり、様々な議論が活発にされておりました。お陰様で多角的な視点で考えることができました。関係者方々のご尽力に感謝しております。
ジャパンフェア
皆さん非常に活気にあふれ、法律事務所としてどう出展すべきか迷っていた弊事務所はご覧の通り(右)、本とブロシュアが机の上にのせられているだけの簡素なブースとなりました。ただし、法律の必要性を認識されている方とは意見交換させていただきました。
アフリカの方から多くの質問を受けましたが、大体は知的財産関係でした。アフリカにおいても知的財産権の重要性が認識されつつあるようです。
なお、実務的な感想は以下の通りです。
1)これから進出、2)あたりをつけている、3)支店やオフィスがある、4)老舗であるの4つの分類がありました。
1)これから進出する企業は、入札等で利益を得ることができる時代で無くなっておりますので、他に強みを持ってもらいたいと思います。中小企業をサポートしてほしいという日本政府への要請は、コストパフォーマンス的に難しいと思います。どのくらいの価値をアフリカに出せるのかなど様々な要素を検討する必要があります。
2)あたりをつけている企業などについてはJVなどを検討されている様子です。JVを設立して思い通りにコントロールしている企業は殆どないと思います。文化や働き方が異なるので、結構苦労している旨良く聞きます。契約や裁判所だけで解決できない問題もありますので、その点のバランスも考慮すべきかと思います。
3)支店や法人があるというところも大分苦労されています。こうした企業に向けて後述の本を出版しました。お役に立てると嬉しいです。
4)老舗のところは大丈夫ということではなく、徐々に空気が変わってきていますので、その点の注意は必要と思われます。
上目線に記載してしまい大変恐縮です。しかし、周りの方のブースの設置方法やデコレーションは上手で色々学ぶことがございました。ブースの方々は小職にとって戦友のようなものでして、皆さんの成功を心より願っております。
アフリカへの想い
日本企業のアフリカへの熱い視線を感じました。若い人材の沢山いるアフリカと高齢化社会に突入した技術大国日本をつなぎ、バランスの取れた社会を作る。そのためには、各企業に安心できる生活と企業活動をサポートしなければならない。その前提として、情報共有と、アフリカ諸国に働きかけて投資できる環境整備をしなければならない。リーガルプラットフォームという形で誰でもアクセスできる環境を作ることが大切だと痛感しております。
その一環として、『アフリカ・ビジネスと法務』という本を中央経済社から出版しました。(画像をクリックするとアマゾンのページにとびます。)
アライアンス・フォーラム財団代表理事原丈人さんと
共著者の金城拓真さんは、アフリカ・ビジネスの第一人者です。ビジネスが成り立たないと法務は成り立たないというコンセプトのもと記載しております。書店お立ち寄りの際はお手に取ってご覧いただければ幸いです。