赤坂国際会計事務所

ブレインコンピュータインターフェースシステムの評価指標(案)が出されました。

2026.01.16UP!

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脳信号で機器を操作するブレインコンピュータインターフェース(BCI)の実用化が加速しています。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の意思伝達を回復させる「救世主」として期待される一方、侵襲性に伴うリスク管理が課題です。
本書では、政府が提示した【最新の評価指標】を基に、開発者が遵守すべき科学的根拠と安全性評価の枠組みを専門的視点から解説します。
この記事を読むことで、複雑な承認申請プロセスの核心と、患者ベネフィットを最大化する設計指針が理解できます。
「ブレインコンピュータインターフェースシステムの評価指標(案)」

1. BCI評価指標策定の背景と目的

結論:技術進展に合わせ、リスクとベネフィットを科学的に均衡させ、適正かつ迅速な医療機器承認を目指すための動的枠組みです。

1990年代からの技術蓄積により、国内外で植込み型BCIの臨床試験が開始されています。
本指標は、米国の【FDAガイダンス(2021年)】等の国際動向に合わせてアップデートしたものです。

  • ① 科学的根拠に基づく適正な評価枠組みの構築
  • ② 閉じ込め症候群患者のQOL向上という切実なニーズへの対応
  • ③ リスク・ベネフィットの動的な均衡による承認審査の効率化

2. システムを構成する「4つのユニット」

結論:BCIを「計測・解読・制御・対象」の4要素に分解し、個別の精度とシステム全体の安全性を二段構えで検証します。

① 計測ユニット

脳活動を電気信号として取り出すデバイス。植込み型電極の物理的安定性と信号精度が評価の焦点となります。

② 解読ユニット

機械学習等を用いて運動意図を読み取るソフトウェア。学習データの透明性とバリデーションの妥当性が厳格に求められます。

③ 制御ユニット

解読結果を操作信号へ変換。誤動作を防ぐフェイルセーフ機能やサイバーセキュリティ対策が必須要件です。

④ 制御対象ユニット

意思伝達装置やロボット等。最終的な患者への効能(ベネフィット)を直接的に生み出す終端装置を指します。

3. 承認申請に向けた実践的な提言

結論:開発初期から患者・介護者の視点(PPI)を導入し、在宅環境を想定したユーザビリティ評価を反復することが重要です。

BCIは多要素が複雑に絡むため、単一の試験では不十分です。以下の3点を意識した開発戦略が推奨されます。

  • AIのブラックボックス化排除:学習データの取得方法と正解ラベルの作成プロセスを科学的に説明すること。
  • ワーストケースの想定:機器の故障や通信途絶が起きた際の緊急停止対策を設計段階から組み込むこと。
  • PMDA相談の活用:【次世代医療機器評価指標】との整合性について、早期に当局と対話を行うこと。

専門家による法務的見解

現時点では試験的な枠組みですが、今後の医療機器法務において注視すべき指針です。
特にALS治療への適用は大きな期待がありますが、倫理的観点から当面は身体機能の「補完・回復」に限定した運用が予想されます。


赤坂国際法律会計事務所
弁護士 角田進二(Shinji SUMIDA)

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