2026年版ハラスメント対策:事業主が今すぐ講ずべき5つの法的措置
2026.02.27UP!
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企業のハラスメント対策は「社内」だけでなく「カスタマー」や「求職者」へと保護範囲が劇的に拡大しています。法改正への対応が遅れると、損害賠償リスクだけでなく、採用力の低下や離職率の悪化を招く恐れがあります。本記事では、弁護士の視点から事業主が今すぐ講ずべき具体的な5つの措置を解説します。この記事を読むことで、最新の法規制に準拠した健全な職場環境づくりの道筋が明確になります。
最新の指針では、①カスタマーハラスメントへの毅然とした対応、②求職者・インターンへのセクハラ防止、③SOGI(性的指向・ジェンダーアイデンティティ)への配慮が義務化・強化されました。事業主は、方針の明確化、相談窓口の整備、迅速な事実確認と被害者ケアを含む「5つの柱」を柱とした体制構築が不可欠です。
1. 2025年版:ハラスメント対策の主要3ポイント
① カスタマーハラスメント対策
主張:社会通念を超えた言動(暴言・執拗な攻め立て等)から労働者を守る措置を講ずること。
根拠:放置は生産性低下や離職に直結するため。
視点:「お客様は神様ではない」。性的要求や土下座強要には毅然と拒絶すべきです。
② 求職者等へのセクハラ対策
主張:面接やインターン中の学生に対する自社従業員のセクハラを防止すること。
根拠:求職者は立場が弱く、職業選択の自由を阻害される恐れがあるため。
視点:SNSでの誘いもNG。未来の仲間を守る姿勢が問われます。
③ SOGI(性的指向・自認)保護
主張:アウティング(暴露)や侮辱的言動をパワハラ・セクハラと定義。
根拠:個人の尊厳に関わる機微情報であり、精神的苦痛が深刻なため。
視点:用語を「ジェンダーアイデンティティ」へ更新し、保護範囲を明確化しました。
🔧 実践的な提言:事業主が講ずべき5つの柱
最新の法令に準拠するため、企業は以下の5項目を速やかに実施する必要があります。
- ① 方針の明確化と周知
「ハラスメントを許さない」方針を文書化し、全労働者に周知徹底すること。 - ② 相談体制の整備
相談窓口を設置し、求職者等にも公開。担当者への研修を定期的に実施すること。 - ③ 迅速・正確な事実確認
事案発生時、被害者・行為者双方、必要に応じて第三者から公平に聴取すること。 - ④ 被害者への配慮と行為者への措置
メンタルケアや配置転換、行為者への適切な懲戒処分を遅滞なく行うこと。 - ⑤ プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
相談者の秘密を厳守し、相談を理由とした解雇や降格を厳禁すること。
Q1:カスタマーハラスメント(カスハラ)に対して、企業はどこまで対応義務がありますか? A1: 結論として、社会通念上相当な範囲を超えた言動(暴言、執拗な攻め立て、土下座強要等)から労働者を守るための相談体制整備やマニュアル作成が強く求められます。「お客様は神様」という認識を捨て、不当な要求には組織として毅然と拒絶する方針を明確にすることが、従業員の安全配慮義務を果たす鍵となります。
Q2:採用面接中の学生やインターン生へのセクハラ対策も義務に含まれますか? A2: はい、含まれます。最新の指針では、求職者やインターン生は立場が弱く、職業選択の自由を阻害される恐れがあるため、自社従業員によるハラスメント防止措置を講じることが必要です。SNSを通じた個人的な誘いなども対象となり、これらを禁止する教育と相談窓口の周知が不可欠です。
Q3:SOGI(性的指向・自認)に関する「アウティング」はパワハラに該当しますか? A3: 該当します。本人の同意なく性的指向や性自認を暴露する「アウティング」や、それらに対する侮辱的言動は、個人の尊厳を深く傷つける行為としてパワハラまたはセクハラに含まれます。社内規程に「ジェンダーアイデンティティ」の尊重を明記し、全社員への啓発を行うことがリスク回避につながります。
