赤坂国際会計事務所

フランス年金の請求について

2018.02.22

(民間被用者におけるフランスの社会保障制度一般)

民間被用者の場合、一般制度が適用され、疾病保険等は全国被用者疾病保険金庫(CNAMTS)、そして、老齢保険と基礎年金補足年金が適用される。その機関は全国老齢保険金庫(CNAV)給付機関はCARSAT(Caisse d’Assurance Retraite et de la Sante au Travail)、補足退職年金制度連合会(ASSsociation des Regime de Retraites Complementaires:ARRCO)及び幹部職員退職年金制度総連合会(AGIRC:Association Generale des Institution de Retaites des Cadres)である。

なお、一階部分が老齢保険、二階部分が基礎年金補足年金、三階部分が上乗せ退職年金制度であり私的年金である。

(老齢保険について)

法定基礎制度として一階建てで強制加入の職域年金が多数分立している。なお、補足年金制度も強制適用とされている。

 財源は労使供出の保険料である。

支給開始は2018年では62歳。

満額年金受給資格は163四半期(具体的には以下の通り)。満額であれば、従前賃金のうち最も高い二五年間の平均賃金の50%になる。

 給付額=平均賃金年額x支給額(満額は50パーセント)x(一般制度での加入期間/163四半期)

Année de naissanceDurée de cotisation
1948 ou avant160 trimestres (40 ans)
1949161 trimestres (40 ans et un trimestre)
1950162 trimestres (40 ans et deux trimestres)
1951163 trimestres (40 ans et trois trimestres)
1952164 trimestres (41 ans)
1953 – 1954165 trimestres (41 ans et un trimestre)
1955 -1957166 trimestres ( 41 ans et deux trimestres)
1958 – 1960167 trimestres (41 ans et trois trimestres)
1961 – 1963168 trimestres (42 ans)
1964 – 1966169 trimestres (42 ans et un trimestre)
1967 – 1969170 trimestres (42 ans et deux trimestres)
1970 – 1972171 trimestres (42 ans et trois trimestres)
A partir de 1973172 trimestres (43 ans)

(基礎年金補足年金について) 

運営体には、企業の被用者共通の機関ARRCO(補足年金制度連合会)と、それとは別に企業の管理職のための機関AGIRC(幹部職員年金制度連合会)の2つがある。

ARRCO が対応するのは全加入者に対する区分Aまでの賃金に対応した補足年金の給付、②非管理職加入者の一定水準までの賃金に対応した補足年金の給付である。これに対してAGIRC は管理職の区分B及び区分Cまでの賃金に対応した補足年金の給付を行うことになっている。

以下のサイトが、計算してくれる。

http://calculette-retraite.agirc-arrco.fr/AACalculetteV1/index.html#about

(日仏社会保障協定)

①一般的な概要

日仏社会保障協定により二重加入する必要性がなくなり、五年以内の出向ならば日本のみの加入で足りることになった。なお、フランスにおいて滞在する期間がそれ以上の場合、フランスで対応するしかない状況である。

 日本の厚生年金保険と加入期間が重複することは、フランスとは社会保障協定が締結されている為、基本的には二重に加入することは予定されていない。

https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20150331.html

例外として、フランスに5年以上派遣する場合はフランスの社会保障制度に加入し、日本の社会保険は資格喪失させるものの、日本の会社とも雇用関係があり、日本から給与が支払われ、かつ、本人が任意加入の被保険者になる事を希望する場合は、「厚生年金保険特例加入被保険者資格取得申出書」を年金事務所に提出する事により年金のみ二重加入する事が可能となる。

https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20131220-04.html

②日本でのフランス年金に係る受給手続きの概要について

フランス年金の基礎年金部分である一般年金に関しては、社会保障協定により日本の年金事務所に年金申請書を提出する事が可能となっているが、2階部分の年金である補足年金については直接フランス当局に申請が必要になる。

③幣事務所のサービスについて

幣事務所では、通常お越しいただき、面会をしてからサービスを提供しております。
大変恐縮ながら、幣事務所ではタイムチャージ制をとっており定額制ではございません。費消した時間に対して1時間当たり35000円の課金をさせていただきております(例えば2時間の場合70000円になります)。ミーティング時間においてもチャージされます。
これに対して、幣事務所が対応する場合、3つほどご希望の訪問日(午後)についてご教示いただければ幸いです。
事前に以下の情報をいただけると幸いです。
1.在籍していたフランスの会社の名前(コンタクト先)
2.フランスで貰っていた給与明細等。もしなければ概算等ご教示いただければ幸いです。
3.滞在当時の身分証などあればいただけると幸いです。
4.家族関係の立証が必要になるため戸籍謄本など。
なお、ご自身で対応される場合、以下のサイトをご覧になっていただければ幸いです。通常、補足年金は発生している認識です。

その他の記事はブログをご覧ください 

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