赤坂国際会計事務所

【2026年施行】FIPVCC:日本のVCがすべき登録・報告義務

2026.03.02

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2026年3月1日より、カリフォルニア州で新しいベンチャーキャピタル規制「FIPVCC」が施行されます。日本のVCであっても、現地のスタートアップへの投資や居住者からの出資がある場合、報告義務の対象となる可能性があります。

日本のVCでも登録義務がある場合があります。

対象:

  • 「うちは東京のVCだけど、サンフランシスコのスタートアップに1社だけ投資している」

  • 「LP投資家(お金を出してくれる人)の中に、カリフォルニア在住の人が1人でもいる」

 

FIPVCCに基づく登録・報告義務のスケジュール

① 連絡先情報の提出(登録義務)
期限:2026年3月1日開始
対象:カリフォルニア州と関係性(ネクサス)を有する「Covered Entity」

② 年次報告義務(データ提出)
期限:2026年4月1日(以降、毎年)
内容:集計・匿名化した人口統計情報の報告(DFPIウェブサイトで公開)

登録が必要か?判定フローチャート(カード型)

Step 1:定義の確認

まず、貴社がFIPVCC上の「venture capital company」に該当するか確認します。以下のいずれかを満たしますか?

  • (A) 資産の少なくとも50%がベンチャーキャピタル投資等である(取得原価ベース)
  • (B) SEC規則203(l)-1に定義される「venture capital fund」である
  • (C) ERISA法に定義される「VCOC」である
判定:
・いずれにも該当しない → 登録不要
・いずれかに該当する → Step 2へ進む
Step 2:主たる事業とネクサスの確認

次に、以下の「事業内容」と「カリフォルニアとの関係性」を両方満たすか確認します。

2a. 主たる事業要件
主としてスタートアップ、アーリーステージ、または成長初期企業への投資・資金提供を行っているか?

2b. カリフォルニア州とのネクサス要件(いずれか1つ)
① 本社または重要な拠点が州内にある
② 州内企業に投資している
③ 州内在住者から出資を受けている

最終判定:
・2aおよび2bを両方満たす → 【Covered Entity】に該当。DFPIへの登録義務あり
・いずれかを満たさない → 登録不要
赤坂国際法律会計事務所では、FIPVCCはカリフォルニア州との接点が一つでもあれば日本のVCにも登録義務が生じうる制度であり、「海外の話」として見過ごすことは危険と考えています。特に「LP投資家の居住地」については見落とされやすいポイントで、ファンドの組成経緯によって対応が異なるため、早めの確認をお勧めしています。

以下に1つでも該当する場合は、専門家への確認をお勧めします。

  • カリフォルニア州のスタートアップに投資したことがある
  • LP投資家(出資者)の中にカリフォルニア在住の方が1人でもいる
  • 自社がFIPVCCの「登録が必要な会社」に当たるか判断できていない
  • 2026年3月1日の登録期限までに社内で対応を確認できていない

1つでも該当した方は、まずは登録要否の判断だけご相談ください。

「カリフォルニアの投資先は1社だけだから大丈夫」と判断して未対応のまま運用を続けた結果、DFPIへの未登録を指摘され、ファンドの信頼性やLP向けの説明責任に支障をきたすケースは、今後確実に増えます。

弁護士への相談は「問題が起きてから」ではなく「何も起きていない今」が最もコストが低い。登録義務があるかどうかの確認に、大げさな手続きは必要ありません。

まずは「うちの場合はどうか」という1点だけ、お問い合わせフォームからご相談ください。

著者情報

赤坂国際法律会計事務所

弁護士 角田進二(Shinji SUMIDA)

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