赤坂国際会計事務所

新・報酬制度設計サービスのご紹介

◆サービス対象となる例:

・新規事業の立ち上げ

・国外に支社を持ち、組織変更を行う場合(優秀な人材に経営者を変更する場合等)

・VCで、創業者と折り合いがつかず、解任し新たな経営者を招き入れる場合

・報酬委員会を立ち上げ新たに報酬設計をし、実効性あるコーポレートガバナンスを明示したい場合

・従業員の報酬設計をしたいがその前に経営陣の報酬設計をしないと示しがつかない場合

など

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昨今、報酬を上げなければならないというマスメディアの声が増えてきています。そして、政府間でも報酬を上げるための政策が協議されているという話も聞きます。しかし、まず大事なのは貴社が利益を出せる仕組みづくりです。この点、過去は従業員の給与を低減化し、それで利益を得るという事例もありました。しかし、これは社会的な信用性を上げる上ではあまり良い方法ではありません。

ならば成果報酬として対応するということも考えられますが、残念ながら成果報酬のみでは『単に給与を減額するだけでしょ・・・』というイメージをもたれ離反されるだけです。

弁護士である角田は、報酬設計の必要性を鑑みてMBAウォートン校の報酬設計コースで一通り学習しつつ、実務での係る対応をしてきました。

 

以下の要素を考慮すべきです。

1.固定部分

固定においては、他の会社と大体類似させるかそれ以上にすることで、被用者のスイッチングコストを上げていくことが大切になります。但し、必ずしも固定給が上がるからロイヤルティが上がり、成果に繋がるものではありません。寧ろ、着実に仕事をやって貰うためのこというだけで、ドラスティックな事業改変には足りません。

そのため、相場観を様々な形で検討することになります。弊事務所でも相場観の洗い出しのお手伝いをすることも可能です。

なお、人間は報酬のみで生きるのではあらず。我々はやりがいや誰と働いたかなど自己実現的なものの方が大事であり、そうした配慮を放念して固定給を渡しても、適当な仕事をして終わりという結果になりやすいです。

2.変動部分

変動は様々な要素があります。渡す報酬を決めるだけではなく、渡さない報酬とその天井なども決めておく必要があります。現在は、様々な会計的な理解を踏まえて契約設計されるケースが多いです。また、クロ―バック条項(取り戻し条項)などを用意し、分割払いにしておき不正があれば支払わない仕組み作りも大事です。

①会社の業績(ROI、売り上げなど)

売り上げなどの変数で給与を変動させることを考える方がよくいらっしゃいます。この手法は分かりやすいのですが、パイが大きくなっている成長過程の市場でしか役に立ちません。売り上げは上がるが利益が少なくなるなど、経営者としての禁じ手が使われる可能性もあり、売り上げベースのみを変数として使うのはお勧めしません。

ROIの方が、コストと売り上げを追うことが可能なので現実的と言えます。但し、『利益=コストカット』というインセンティブが強く、解雇などのコストセーブに繋がりやすいケースもあります。そこで、この点リスクを想定して動く必要性があります。安易に解雇に向かわず、知恵を出してコストセーブをしつつ、利益率の高い商材を扱うなど工夫を要するマーケットの場合にこの指標は使えます。行為規制とROIをマッチして使う必要性があります。

他に変数をどのように盛り込むかということも大事ですが、あまり多くの変数を盛り込むと、総花的になり経営者が混乱するケースもあります。

②部門の業績と個人の業績

個人の業績というシナリオは、営業などにおいてはよく使われますが、経営者になるほどこの指標を使うのは好ましくありません。ただ、部門についてはこれから伸び行く市場に関してインセンティブ設計することは視野に入れておく方が望ましいです。

③SDGsESGゴール

SDGs指標にあわせて、ESGゴールを決めていくケースもあります。世間受けはいいですが、業績を上げつつ、③について阻害するようなケースはインセンティブを減らす手法もあり、そちらの方が実態と合っているようにも思われます。

 

3.不特定部分

Dealボーナス、V字回復ボーナス、苦境の上で対応した手当など様々な事項が考えられます。予測できない事項について裁量ボーナスなど渡すことも可能です。なお、Dealボーナスについては天井ラインや裾切りラインなども決めておく必要があります。

もめ易い部分は、3のDealボーナスだったりします。これを予めきちんと決めなかったために大きく支払いが要求されたケースもあります。

4.工夫すべき事項

どのように設計すべきかということばかりに目が行って、どのような目的で、どの程度の期間いて欲しいかなどを考慮しないケースが多いです。しかしここは順番が重要になります。まずは、貴社のゴールを決めておくべきです。ビジョン、ミッションなどを決めることで定量的な数字が出易くなりますし、何をすべきではないかも明確になってきます。

長期プランを決めることでさらに変数と天井、裾切りラインも決まります。具体的に考えないで、新しい経営者に決めさせること自体が失敗の要因になることもあります。新しい経営者に任せることは運次第になり、報われないケースもあります。まず何がダメなのかを決めないと解任事項も決めることができません。

日本企業においては、ただ曖昧に『世の中にバッシングされたから』とか、『何となくうまくやっているから』として報酬設計をしてしまっているケースも見受けられます。しかし、かかる曖昧な基準ではグローバル基準にフィットせず、かつ優秀な人材を経営者として選択することはできません。

これらは利益配分基準です。つまり、顧客、株主、従業員など利益分配をどこでするかという差配です。このルールメイキングができなければ企業は成長することができません。国外で企業を持っている方は特にこの点は理解している筈です。昨今、日本の社長よりも、国外の支社の方が報酬を貰っているケースは稀ではありません。それだけ人材の発掘に苦労する時代です。

5.弊事務所の役割

弊事務所では、①報酬設計の交渉の際に低廉すぎて辞任してしまうケースもあるため、相場感の証拠を見つけ出すこと、②やめたケースを想定しエージェントにマッピングその他の候補者リストを用意してもらうこと、③報酬設計のエージェントとの協議などを含めて諸々サポートしています。その上で日本又は海外の法律に沿った設計をタームシートに落とす作業をしていきます。加えて、④交渉を手伝い、どのようにアイスブレークするか・どのように切り出すか・何を言わないべきか・どのように解任すべきかなどについてもサポートし、できるだけ事後的な費用がかからないようにしていきます。ビジネスに集中していただくための環境づくりをできることが、弊事務所の強みです。