赤坂国際会計事務所

親が元気なうちに必ず見てくださいリスト:親が亡くなったらやる事リスト:14日以内の手続きとリスク

2025.12.17UP!

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亡くなった直後、悲しむ暇もなく**「14日以内の手続きラッシュ」**が始まります。
何も知らずに動くと、以下のリスクが現実になります。

  • ✔ 口座が凍結され、葬儀代が手出しになる

  • ✔ 「うっかり」借金を背負い、取り返しがつかなくなる

  • ✔ ネット銀行の存在に気づかず、後日税務調査が入る(急増中)

これは「知識」だけで防げる悲劇です。このロードマップを家族のグループLINEに貼るだけでも、将来のパニックを防げます。

① 亡くなった直後〜7日以内【最初の関門】

まずは葬儀・火葬ですが、役所へ行く前に「紙」の確保が最優先です。

死亡診断書(原本)の扱い

  • 【超重要】 役所に原本を提出すると、原則返ってきません。

  • 提出前に必ず 【5〜10枚コピー】 をとってください。

  • 使う場面: 生命保険の請求、未支給年金の請求、銀行口座の解約(一部コピー可の銀行あり)、携帯解約など。

    • ※銀行や不動産登記などの重要手続きでは、後日取得する**「除籍謄本」**などが必須になりますが、初期段階の簡易手続きには診断書コピーで足りるケースが多いです。

期限:7日以内

  • 死亡届の提出(役所へ):これを出さないと火葬許可証が出ません。

②【10日・14日以内】役所で一気にやる手続き

悲しみの最中ですが、期限がシビアなものが混ざっています。**「1日で回りきる」**気概で準備しましょう。

持ち物セット

  • 死亡診断書のコピー

  • 故人の健康保険証・介護保険証・年金手帳(年金証書)

  • 届出人(あなた)の身分証・印鑑

  • 故人の口座がわかる通帳(未支給年金の振込先として必要)

期限厳守の手続きリスト

  1. 世帯主変更届(14日以内):親が世帯主だった場合。

  2. 健康保険の資格喪失手続き

    • 国民健康保険(14日以内):役所にて返却。

    • 社会保険(会社員)(5日以内):勤務先へ返却。

    • 後期高齢者医療被保険者証(14日以内):役所へ返却。

  3. 介護保険被保険者証の返却(14日以内):役所へ。「未納保険料」や「還付金」がないか必ず確認を。

  4. 【要注意】年金受給権者死亡届

    • 厚生年金(会社員歴あり)【10日以内】 ※期限が短いので注意!

    • 国民年金(自営業など):14日以内

    • ※マイナンバーと紐付いている場合は届出不要なケースもありますが、「未支給年金」(死亡月の分まで貰える権利)の請求は必須なので、結局は年金事務所か役所に行くことになります。

③【要注意】銀行にはすぐ行かない(&凍結後の裏ワザ)

「銀行に死亡を伝えた瞬間、口座は凍結」されます。
公共料金の引き落としも止まるため、安易に止めると家族の生活インフラが止まるリスクがあります。

凍結のデメリット

  • ATM入出金不可

  • 葬儀代が引き出せない

  • 【警告】 凍結前に慌てて引き出し、私的に使うと**「単純承認(借金も相続)」**とみなされるリスク大。

【解決策】凍結されてもお金は下ろせる!

2019年の法改正で**「預貯金の仮払い制度」ができました。
遺産分割協議が整う前でも、
「1金融機関につき最大150万円まで」**なら、相続人が単独で払い戻し可能です。

  • 「葬儀代が払えないから、隠れてキャッシュカードで下ろす」といった危ない橋を渡る必要はありません。堂々とこの制度を使ってください。

④ 期限はないが、放置すると損するもの

  • 公共料金(電気・ガス・水道・NHK):名義変更か解約。クレカ払いの場合はカード停止で未払いになるので注意。

  • 携帯・ネット:解約しないと基本料がかかり続けます。 「解約時にSIMカードの返却を求められる場合がありますが、紛失していても本人確認書類(届出人の免許証や戸籍謄本等)があれば解約は可能です。『SIMがないと解約できない』わけではありませんが、手続きをスムーズにするために保管推奨です。

  • 運転免許証:警察署で返納。身分証として悪用されるリスクを防ぎます。

  • クレジットカード:年会費発生前に解約。リボ払いの残債がないか確認を。

⑤【期限厳守】相続の核心

ここが人生を左右する分岐点です。

【3ヶ月以内】相続放棄の判断

  • 借金の方が多い、または関わりたくない場合。

  • 家庭裁判所への申述が必須です。「親戚に『いらない』と言った」だけでは放棄になりません。

  • 絶対NG行為(単純承認)

    • ❌ 故人の預金を自分のために使う

    • ❌ 故人の車や家を売却する

    • ❌ 故人の借金を一部でも返済する

    • ※**「葬儀代」**については、常識の範囲内(質素な葬儀)であれば預金から支払っても「単純承認には当たらない」とする判例が有力ですが、領収書は完璧に残してください。

【4ヶ月以内】準確定申告

  • 親に事業収入や不動産収入があった場合、亡くなった年の税金申告が必要です。

【10ヶ月以内】相続税申告・納税

  • 「基礎控除(3000万円+600万円×相続人数)」を超える資産がある場合のみ。

  • 1日でも遅れると延滞税がかかります。

【NEW】3年以内|相続登記の義務化(2024年4月〜)

  • これが最新かつ最大の変更点です。

  • 不動産を相続したことを知ってから3年以内に登記申請しないと、10万円以下の過料対象になります。

  • 「実家の名義変更を放置」はもう通用しません。

最後に|親が元気なうちに必ず聞く3つ

  1. 通帳・印鑑・キャッシュカードの場所

    • 特に**「ネット銀行」「ネット証券」。通帳がないため、スマホが開かないと資産の存在自体が永久に闇に消える**か、数年後に税務署から「申告漏れ」を指摘される事態になります。税務署は「国税総合管理システム(KSK)」や、2021年から本格化した預貯金照会のオンライン化により、ネット銀行や仮想通貨の把握能力を強化していますので要注意です。

  2. スマホのパスワード

    • 業者に頼むと解除だけで20〜30万円かかる上、成功率は100%ではありません。

  3. 借金・連帯保証人の有無

    • プラスの財産より、マイナスの財産把握が最優先です。

でも、最も大事なのは、一緒にいて良い記憶を一緒に作ってください。それが一番の財産になります。

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