赤坂国際会計事務所

2010年のイギリスの汚職防止法について汚職防止法について

2011.04.13

2010年のイギリスの汚職防止法について

前々から、OECDでは汚職をどのように対処していくかという協議がされていましたが、その流れに沿って2010年イギリスで汚職防止法が成立し、7月1日に施行されました。

今こそ、各々の会社は、コンプライアンスの構築及びその改善に向けて動き出すときです。

この流れは他の国々に飛び火し同様の内容の法律は強化され、さらなる対応に迫られる危険は十分ありうることです。

この法律の概要は以下の通りです。

第1項では、行為を、他の者の職務・業務を不適切にさせるために、又は、不適切な行為を行ったものに報いるために、金銭的な又はその他の誘引となるものを提供・約束・譲渡することと定義づけています。

第2項では、行為を、不適切な行為を行うことを約束することの見返りとして又は既に不適切な行為を行ったことの見返りとして、金銭的な又はその他の誘引となるものを要求・同意する行為と定義づけています。

第1項第2項の行為は、イギリス国内のみならず国外でも適用され、官のみならず私人間でも汚職を構成することになります。

ところで、仕事を得るため又は仕事で有利に進めるために、公務員に金銭的又はその他の誘引になるものを提供・約束・譲渡したことも当然のことながら犯罪行為になります(第6項)。

イギリス法で設立された会社のみならず組合も含み、さらにイギリスで営業を行っているものも含むと、責任を負う営利団体は広く捉えられています。団体に関連する人(これも広く、従業員、agentを含むことになっている)が第1項、第2項、第6項の行為を行った場合、団体がその行為を防止する適正なプログラムを構築したことを立証しない限り、責任を負う事になっております。

適正なプログラムに関してのガイドラインは、http://www.justice.gov.uk/guidance/bribery.htm.に記載の通りです。詳しくはそちらを見て判断してください。

ただし、気づいていただきたいのは、他の会社と比較してどの程度努力を行っているかです。他の会社が同じようにやっているから免責されるということではなく、どの程度のベタープラクティスをやってきたか、やろうと努力しているかが試されています。

以上のことは、短絡的にガイドラインのみに従って行っていくだけでは足りず、終局的には会社から距離を置いて客観的に見る事ができる第三者(主に専門家)の力を借りることも必要になる場合もあります。

詳細な情報にご興味がある方は、弊事務所にご相談ください。

弁護士 角田 進二

加州弁護士 Michael J. Crowther

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